自分は自分が考えている以上に貧乏である・・

あなたは自分で考えているよりも貧乏である

 

 

「なぜ私たちはお金を上手に運用できないのか?」という疑問は「現在バイアス」「現状維持バイアス」など行動経済学の複数の観点から説明することができるそうです。経済学者のAlberto Cardaci氏はその中でも「人は実際よりも自分のことを裕福だと考える」という説について研究を行っています。

イタリア・ミラノにあるサクロ・クオーレー・カトリック大学のAlberto Cardaci氏らはAXA Research Fundの奨学金を受けて「Cognitive biases, perceived wealth and macroeconomic instability(認知バイアス、マクロ経済学の不安定性と富の認識)」という名称の新しいプロジェクトを開始しました。

Cardaci氏は「人は『自分がどれくらい裕福なのか』という点の認識が間違っているために、自分が使うべき範囲よりも多くお金を消費している」という仮説を立て、行動経済学と社会認知心理学の観点から、実験経済学のテクニックを使ってこの仮説を検証しています。

 

Cardaci氏の仮説を細かく言うと、人が「自分が裕福である」と感じる度合いはレバレッジの価値に左右されるということが分かりました。レバレッジとは投資などにおいて他人の資本を使って利益率を高めることを言い、Cardaci氏によるとたとえ純資産が増えなくても使えるお金が増えると人は「お金持ちになった」と感じ、さらに消費を行うようになったり、借り入れを行うようになったりするとのことです。Cardaci氏はこれを「レバレッジ・バイアス仮説」と呼んでいます。

Cardaci氏がレバレッジ・バイアスについてテストを行ったところ、被験者の78%が自分の所有する財産の量について誤った認識を持っていたことが示されたと言います。そして、この認識の変化は財産の構成に基づいており、仮設のとおり純資産が変化していなくても認識が変化するとのことです。標準的な経済学に基づけば、個人の消費と借り入れの決定において、純資産が増加していないにも関わらず行動が変化することは合理的とは言えません。今回の研究は、この合理的でない行動が「財産についてのご認識」で説明可能であることを示しています。

 

 

2007年に世界金融危機が起こる以前、米国の家庭の負債レベルはGDP100%を超える勢いで増加していました。当時の米国社会は容易に負債を負わされる環境にあったのです。社会に蓄積されている個人債務のほとんどが前述のレバレッジ・バイアスによってもたらされたとは言えませんが、財産に対する認識が個人レベルだけでなくマクロ経済学のレベルで影響するという可能性は、調査に値するとCardaci氏は述べています。

そして、レバレッジ・バイアス仮説は、借り手だけでなく、貸し手のにとっても意味があるもので、債務を履行をできない借り手によって不良債権が蓄積されてしまう時代になります。

 

 

資産のバイアスは恐ろしいものがありますね。使えるお金が増えれば純資産が増えているという勘違い・・これはなんとなく気持ちがわかる気がします。ただ、日本においてはもう少し財布の紐を緩めてもいい気がしますから、バイアスを使ってうまく経済を回してあげることが必要になってくるのではないかとも思っています。もちろん純資産がどのくらいなのかは常にモニタリングすべきですが。

自分は自分が考えている以上に貧乏である・・

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