少年野球トップ選手 75%に肩やひじの障害 指導見直しの指摘

未成年の野球選手の投げすぎによる負担が問題になる中、小中学生の硬式野球の団体が医師に依頼して調査した結果、トップクラスの選手の4人に3人に障害が出ていたことがわかりました。専門の医師は「指導方法や試合のルールなどを早急に見直す必要がある」と指摘しています。

全国のおよそ750チームが加盟している小中学生の硬式野球の団体「日本少年野球連盟」は、選手の体の状態を把握するため、野球選手の投げすぎによる負担の問題に詳しい群馬県館林市の古島弘三医師に調査を依頼しました。

古島医師が、連盟に所属するチームのうち東日本のチームの中学生6500人の中から選抜されたトップクラスの選手49人を対象に調べた結果、エコーによる診断で、じん帯が引っ張られ骨の一部が剥がれるなどの障害が出ていた選手が37人と、全体の4人に3人に当たる75.5%にのぼることが分かりました。

また、問診では、これまでにひじの痛みがあったと答えた選手が半数を超える26人(53%)で、肩の痛みがあったと答えた選手も24人(49%)と半数近くにのぼりました。

さらに、現在も投げるときにひじが痛んだり、じん帯部分を押すと痛んだりする症状があり、休養が必要とされた選手が8人(16%)いました。

この結果について古島医師は、「成長期のひじの障害は将来的に再発するリスクが高くなることから、早急に指導方法や試合のルールなどを見直す必要がある」と指摘しています。

「リスクと裏腹 重く受け止めるべき」

群馬県館林市にある慶友整形外科病院の古島医師は、ひじを傷めたプロ野球選手が行うことで知られる「トミー・ジョン手術」を15年近くにわたって600件以上行ってきました。

この症例について、古島医師が改めて分析したところ、手術を受けた患者のおよそ4割が高校生以下の子どもで、中には小学生もいたということです。

今回の調査結果について、古島医師は「障害が出たという割合が非常に高く、重く受け止めるべき結果だ。小中学生の球児たちはうまくなるためにリスクと裏腹な状況で試合や練習を行っている。運が悪ければ投げられなくなるし、今後高校に進学してから再発するリスクも高くなる」と指摘しています。

そのうえで「球児を取り巻く今の状況は、選手として高いレベルを求めるとけがのリスクも高くなるという状況だ。指導者やチームは、いかに効率よく短時間の練習でうまくなるかという部分で競い合ってほしい」と話しています。

長時間の練習 少ない休養

今回の調査では、体の状態だけでなく、練習時間などについても選手から聞き取っています。

それによりますと、土曜・日曜の1日当たりの練習時間を尋ねたところ、8時間以上と答えた選手が25人(51%)と全体の半数を超え、5時間以上と答えた選手も4割近く(39%)にのぼりました。
年間で休養が1か月以上あると答えた選手はわずか7人(14%)でした。

日本少年野球連盟 投手の球数制限導入へ

今回の調査結果を受けて、日本少年野球連盟は、来週から始まる東日本の大会について、投手の球数制限のルールを新たに導入することを決めました。

小学生の部では、1人のピッチャーの投球数を1日65球以内とし、2日間連続で投げる場合は合わせて100球以内としています。
中学生の部では、1人のピッチャーの投球数を1日80球以内とし、連続する2日間では120球以内としています。

また、高校では、去年12月に新潟県の高校野球連盟が県大会での球数制限の導入を表明するなどして、日本高校野球連盟がことし4月から有識者会議を発足させるなど、議論が広がっています。

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