ハエは世代を超えて記憶を引き継げるが永遠ではないため同じ過ちを繰り返す

概要

ダートマス大学の研究により、ショウジョウバエ(学名:Drosophila melanogaster)は後天的な記憶を親から子へ遺伝させていることを発見致しました。ハエには寄生蜂から幼虫を守るために、エタノール臭のする食べ物に卵を産み付ける習性を持つものがいます。これは種の本性に根ざすものではなく、後天的に獲得した行動形態です。そして経験的に獲得されたこの行動記憶が、数世代に渡り子孫に継承されていたという結果にたどり着きました。

後天的に産卵形態を変化させるショウジョウバエ

研究チームはショウジョウバエにかかる環境的ストレスがどれほど後続する世代の行動様式に影響しうるかを調査しました。研究主任のジュリアナ・ボズラー氏は「神経的に符号化された身体運動が世代間で遺伝することはありませんが、反対に環境因子によって引き起こされ修正された行動は記憶として世代間に伝わる可能性がある」と指摘しています。環境ストレスにより習性・獲得されるハエの行動は次のようなものを指します。

ショウジョウバエの幼虫は寄生蜂にさらされると、体内に卵を産み付けられ栄養分として食べられてしまいます。それを防ぐためにショウジョウバエのメスは自らの基質産卵をエタノール臭のする食べ物の中に変化させていました。基質産卵とは安全であると思われる特定の場所に卵を産む生物の行動形態のことを指します。例えば小魚には流木や石に卵をういつけるものがいるように、ハエも蜂が嫌がるエタノール臭を利用することで幼虫たちを守ることができるようになります。

 

記憶の遺伝は永続的ではない

とある実験を行いました。メスのショウジョウバエとメスの蜂を卵が収集される前の4日間に渡って共生させたのです。その後、ハエの卵のおよそ94%をエタノール臭のする食べ物の中に産み付けていることがわかりました。そして、蜂の脅威にさらされた卵は、親のハエや蜂との接触を一切断って成虫まで育てられています。すると第1世代の子孫には親と蜂との接触がまったくなかったにも関わらず、エタノール食物の中に産卵する行動形態が遺伝していたことがわかりました。驚くべき結果としてはエタノール食物へ産卵するといった行動が第5世代に渡って受け継がれることが判明したことです。その後は徐々に以前のレベルまで戻るというのを繰り返している可能性が示唆されました。これはつまり、記憶の遺伝が永続的なものではなく、むしろ危険性が無くなったら忘れるという可逆的なものであることが証明されたことになります。

 

考察

今回の発見がハエのみならず他の生物についても、遺伝形式が則っている根本メカニズムについて理解を深める一助となるかもしれないとボズラー氏は言及しています。

 

 

失敗を繰り返すというのは生物界ではよくあることの可能性が高いということでしょうか。そして人間も同様である可能性が高いと・・今回の実験は非常に興味深いものですね。蜂は毎度第六世代のハエを餌にしているかもしれないということでしょうか。自然界は上手くできているものだなーと思います。もし永遠に記憶を継続してしまうと、蜂は食べ物がなくなって絶滅してしまいますからね。

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